どうも、かずです
今年2022年も3月25日からプロ野球が開幕します。
北海道日本ハムファイターズに「ビックボス」こと新庄剛志監督が就任したことが大きな話題となりましたが、その一方で、逆の意味で注目されているのが阪神タイガースの矢野燿大監督です。
矢野監督は、なんとシーズン前のキャンプイン前日に、今シーズン限りの退任を発表されました。
- 何故、シーズン開始前に退任を発表したの?
- 周りからの反応はどうなの?
今日は、そんな質問に答えていきます。
仕事や部活動などで、「今、取組み続けていること」「慣例的にずっとやっていること」を「やめる・止める」というのは、周りからの疑問や批判への対応も含めて、とても勇気と覚悟が要ることです。
阪神 矢野監督の退任発表理由を読み解きながら、
なかなか「やめる・止める」と言い出せない場合の対処法
についても考えてみたいと思います。
阪神 矢野燿大監督のプロフィール
現役時代は中日ドラゴンズ(1991年 – 1997年)と阪神タイガース(1998年 – 2010年)に在籍
2003年・2005年には正捕手として、阪神のセ・リーグ優勝に貢献。
現役引退後、2013年11月からは野球日本代表のバッテリーコーチを務めた。
2016年に一軍作戦兼バッテリーコーチとして阪神へ復帰。
2018年には阪神二軍の監督を務め、2019年より一軍監督を就任。
引用元:Wikipedia
このような経歴を踏まれ、阪神一軍監督就任1年目の2019年は3位、2020年は2位に導きます。
そして、昨2021年はリーグ優勝こそ逃したものの、ヤクルトにゲーム差なしの2位でシーズンを終えられました。
今シーズン開始前に監督退任表明をした理由と周りの反応
矢野監督は、今シーズンのキャンプイン前日の2022年1月31日に、今シーズン限りでの退任を発表しました。
普通に考えれば、シーズンが終了するタイミングで表明するのが一般的です。
なのに何故、矢野監督はシーズンが始まる前に、「今シーズンで辞める」と表明したのでしょう?
インタビュー記事で、矢野監督は次のように語っています。
「開幕前に退任を伝えたのは、チームのためになると判断したから」
「一番良くないのは、自分が今シーズンで監督を辞めると決めていることをシーズン途中に選手が知ることだと考えた」
「正直な気持ちを伝えないのは選手を裏切っている気がした」
引用元:Full-Count記事より
実際、退任発表の直後は、理解を示す人よりも、批判が多かったそうです。
否定的な意見を聞くと決断が正しかったのか考えてしまい、キャンプ期間中は眠れない日もあったそうです。
でも、矢野監督は「後悔はない」そうです。
「後悔する人生を歩んでほしくないと選手にずっと伝えてきて、手本になりたいと思って監督を続けてきた」
「選手に『最後の1年をやり切ろうとしてる』と感じてもらえるような姿勢を示していきたい」
「それに、退任発表がマイナスに働くような選手たちではないと自信を持っている」
「あと1年、監督を目いっぱいやり切ることが覚悟であり、責任であると考えている」
引用元:Full-Count記事より
これらの矢野監督の言葉を聞いて、僕はその真意を知り、心がとても熱くなりました。
自分が選手だったら、
「この1年、矢野監督のために全力を尽くそう」
絶対にそう考えたと思います。
「やめる・止める」が言い出せないのを脱却するには?
阪神 矢野監督の話を受けて、僕たちの生活に置き換えて考えてみたいと思います。
自分が矢野監督の立場だったら、このタイミングで「やめる」と言い出せたか?
正直、僕だったら、かなり躊躇したと思います。
学生の皆さんだったら、部活動や趣味で仲間と取り組んでいる活動を想像してみてください。
また、働いている方であれば、今の仕事で目標達成に向けて取り組んでいる施策や慣例・ルールなどを想像してみましょう。
日々、仲間や上司・同僚・部下と共に、汗をかきながら目的を果たすために取り組んでいることが、誰にでもあると思います。
でも、取り組んでいる中で、自分なりに様々な経験の中から沢山の考えを巡らせるうちに、
- この取り組みはやめた方がよいのでは?(別のやり方に変えた方がいいのでは?)
- 自分自身のやりたい事・目的が変わってきて、今の立場を降りたい(自分が変わりたい)
といった思いが強くなってくることもあります。
でも、今続いていること・当たり前となっている慣例を「とめる・やめる」というのは、「始める」以上にエネルギーが必要ですよね。
一緒に頑張っているみんなに水を差しちゃうよな・・・
批判されたり嫌われたらどうしよう・・・
僕も、今までに幾度となく、こんなことを考えて、「やめる・とめる」と言うことを「やめた」経験があります。
でも、自分の本心・魂で、「続けるべきではない」と考える理由・根拠があるのであれば、
「やめる・とめる」ことで「何か」「誰か」が「今よりも良くなる」可能性があるわけです。
なのに、それを一緒に取り組んでいる相手に「言えない」ということは、
- その相手を心から信じられていない
- さらには、「自分の考え」についても、心から自信を持てていない
そういうことだと思います。
矢野監督の言葉からは、心から選手を信頼していることが伝わってきます。
そして、信頼する選手たちの手本となり、期待に応えるために、
覚悟をもって、自分の全精力をかけて責任を果たそう
という気概が溢れています。
つまり、
- 「自分の考え」に対して、自分自身が自信を持てていること
- 相手を心から信じられていること
この2つがあれば、「やめる・とめる」ことを意思表示することへの躊躇はなくなってくるはずです。
まとめ
なんとなくの感覚ですが、我々は、「辞めていく人」「現状や慣例を打破しようとする人」に対して、マイナスの感情を覚える傾向が強いです。
「保守的」「既得権益」といった言葉もありますが、一つの捉え方としては、「伝統を重んじる」「礼節を重んじる」という解釈もあります。
しかし、別の捉え方としては、
プラスかマイナスか?
ではなく、
「今より良くなる」
という、加点方式の考え方を持った場合、「やめる・とめる」は「変える・変わる」と言い換えられ、「現状よりも良くなっていくための行動」という解釈もできます。
もし、「さらに良くするために行動する」と決めたのであれば、その行動をベストな形で進めるためには、影響を受けるであろう、極力すべての人に、その真意を伝えた上で行動するのがふさわしいのだと思います。
矢野監督は、そんな考えを廻らせて、シーズン開始前に退任表明をしたのです。
矢野監督の真意をこのように捉えて、僕自身、非常に勇気をもらいました。
みなさんも、躊躇っていることがあれば、こんな考え方を持って臨んでみてはいかがでしょうか?
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