どうも、かずです
2022年4月2日の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)では、スクウェア・エニックスの吉田直樹さん(吉P)が先生として登壇し、世界的人気ゲーム『ファイナルファンタジーXIV』のしくじりについて語られます。
お恥ずかしながら、吉田直樹さんのことを全然知らなかったんですが、ゲーム業界では圧倒的な知名度を誇り、伝説のプロデューサー・ディレクターとも言われるということで興味を持ち、お調べしました。
僕と同じように、
- 吉田直樹さん(吉P)ってどんなお仕事をしてきたの?
- すごいって聞くけど、結局どこがすごいの?
という方は、是非最後までご覧ください。
吉田直樹さん(吉P)の経歴
吉田さんは、ゲーム業界やファンの間で「吉P」という愛称で呼ばれているようですね。
どんな偉業を成し遂げて来られた方なのか、経歴を追ってみましょう。
1973年5月1日 北海道札幌市生まれ(2022年4月1日現在、48歳)
札幌のハドソン系列の専門学校を経て、1993年ハドソン入社。PCエンジン向けタイトルの開発をはじめに、『天外魔境』シリーズや『ボンバーマン』シリーズのゲームデザインを手がける
引用元:Wikipedia
いきなり懐かしい名称がどんどん出て来て、どんぴしゃ世代の僕としてはいきなりテンション上がりました^^
20歳の時にはハドソンに入社されて、大ヒットゲームのデザインを既にされていたんですね。
僕と年齢もそんなに変わらないのですが、『天外魔境』や『ボンバーマン』は、僕が中学~高校時代にまさに熱中して遊んでいました。
それを当時から作る側にいらっしゃったと知って、まず驚愕です!
2005年 『ドラゴンクエスト オンライン』(後の『ドラゴンクエストX』)を作るという齊藤陽介氏の招聘でスクウェア・エニックスに入社。
ディレクターとして『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』シリーズを制作。
『ドラゴンクエストX』ではチーフプランナーを務める。
引用元:Wikipedia
スクエニへの入社のきっかけは、後の『ドラクエX』(オンライン)を構想していた齊藤陽介さんだったんですね。
今はやめてしまったんですが、僕も会社の同僚から誘われて『ドラクエⅩ』は一時期めちゃくちゃやりこみました。
齊藤さんと言えば、同じスクエニの取締役執行役員で、『ドラクエⅩ』の初代プロデューサーとして、公式サイトにも「よーすぴ」さんとして登場されていたので存じ上げています^^
ちょっと脱線しましたが、吉Pさんが『ドラクエX』にも関わられていたということも、恥ずかしながら今回まで知りませんでした^^;
経歴を追っていくと、思いっきり僕の中学から今までの人生で、吉田さんのお世話になっていたことを知りました。
吉Pさん、改めて、本当にお世話になってます!(笑)
2010年12月10日 『ドラクエX』のプロジェクトから離れ『ファイナルファンタジーXIV』の品質を向上させるため、前任担当者に代わり、同ソフトのプロデューサー兼ディレクターに就任。
2015年4月 スクウェア・エニックス執行役員に選任
2018年4月 スクウェア・エニックス取締役に選任。執行役員と兼務し、取締役兼執行役員となる
引用元:Wikipedia
『しくじり先生』で語られた『ファイナルファンタジーXIV』とは、こうした経緯で関わるようになったんですね。
『ドラクエX』での働き・功績が認められたからこそ、既に発売されオンラインゲームとして運用が始まっていた『FF14』の”品質向上”というミッションを受けることになったということでしょう。
そして、そこでも求められた成果を確実にあげられ、現在のポストである取締役兼執行役員という立場を与えられたんですね。
こうして見てくると、20歳から数々の輝かしい功績を積み重ねられ、順風満帆にここまで来られたように見えますよね。
類稀(たぐいまれ)な才能をお持ちなのは間違いないですが、それだけではなく、裏では他者を圧倒的に凌駕する努力をされてきたんだと想像します。
吉Pさんがどんなマインドセットや価値観をお持ちなのか?
とっても興味が湧きます。
吉田直樹さんのすごさ(独自しらべ)
ここからは、僕自身が独自に調べた情報から、吉Pさんのすごさについて考えてみます。
1.自らがガチの名ゲームプレーヤー
調べていくと、まずこんなことがわかりました。
- 幼少期からゲーム好き
- ゲームを作る側の社会人になってからも様々なオンラインゲームをやり込んでいる
- 「Cellica Flame」というプレーヤーネームで幾つかのゲームの中の世界でも有名。
- 自らプロデューサーを務める『FF14』をプレイヤーとしてプライベートでも楽しんでいる(キャラ名は非公表の模様)
元々根っからのゲーム好き少年で、それを作る側のお仕事に就いた、というところまでは、他にもそのような経歴の方は沢山いるのかなと思います。
僕がすごいと思った一つ目は、
幅広いゲームジャンルでガチのゲーマーであり、今でもプレイヤーとしても現役バリバリ
というところです。
例えば、
格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズの新作がイベントで出展された際、客として参加し、そのイベント内で57連勝という圧倒的な強さを見せつけたとのこと。
それが原因で、そのゲームは正式リリースするにあたり、吉Pさんが使われたキャラクターの強さ設定が弱くなるように変更された
という逸話があるそうです。
これはそんじょそこらのゲーマーとは格が違うことをよく伺えるエピソードですね。
また、オンラインゲームの『FF14』には、8人程のプレイヤーがパーティーを組んで強力な敵キャラを討伐するクエストのようなものがあるようなのですが、吉Pさんは自らだと公表せずにプライベートでプレイヤーとしてよく参戦しているそうです。
そして、そこでもトップ勢と同レベルの腕前を持っているとか。
ビジネスの世界での「あるある」ですが、
「作る側」「売る側」は「お客様第一」「お客様目線」と耳タコで言われ続けます。
でも、実際問題、本当に「使う側」の目線・考えになりきる というのは非常に難しいことです。
結局は作り手・売り手の目線・思惑・フィルターがどうしても入ってしまいますし、自らがその製品・サービスの上得意客であるという人はなかなかいないのではないでしょうか?
極端な例では、
売る側が実際にその商品・サービスを使ったことが無い
なんてことも、僕の経験上でも実際にありました。
それを思うと、プレイヤー側としても最上位をキープし続けているということが、吉Pさんの功績の一端を確実に担っていると僕は考えます。
2.「常識」に捕らわれないマインド
経歴で書いた通り、吉Pさんは、既に発売され運用されていた『FF14』の”テコ入れ要員”として、そのプロジェクトに後から投入されます。
吉Pさんが投入される前の『FF14』は、オンラインゲーム黎明期だったという時代背景もありますが、ユーザインタフェース、つまり画面の操作性などプレイヤーにとって多くの問題(使い勝手の悪さ)を抱えていたようです。
当然、それらの問題を解消することを求められているわけですが、既に発売されて沢山の利用者を抱えている超有名ゲームです。
僕が当時の吉Pさんだったら、
今遊んでくれているプレイヤー(=お客様)には極力迷惑をかけない
ということを最優先しながら、ちょっとずつ改修してバージョンアップ・ファームアップさせていくようなやり方を考えたと思います。
具体的には、
ゲームが遊べなくなるメンテナンス時間は極力短時間にするため、1回1回の改修範囲は少なくして、改修の回数を多くする
というやり方を選んだのではないでしょうか。
でも、吉Pさんが選んだ手段は違いました。
- 2010年に発売され運用開始されていたサービスを、2012年に一度終了
- 同名タイトルで再開発を行い、2013年に『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』として再発売
実際には、およそ8か月あまりのサービス停止期間を挟み、しっかりじっくりと再開発する
という手段を取られました。
この期間中に、α版、β版というテストを挟まれていますが、元々遊んでいたほとんどのプレイヤーは8か月もの間、プレイを我慢することになりました。
この判断は、ほとんどの人の「常識」から考えれば、選ばない選択ではないでしょうか?
その期間に、プレイヤー=お客様が離れていってしまう という考えがよぎります。
実際のところ、どう考えられ、会社内でどんな議論を戦わせてこの判断に至ったのかはわかりません。
でも、吉Pさんは、自らもプレイヤーとしてゲームを遊んでいるからこそ、前述したようなちょっとずつのファームアップでは、プレイヤーの満足は得られないと判断したのではないかな?と考えます。
そして、長期間ゲームが遊べないとしても、当時の使い勝手の悪さを最高品質で作り替え、更にグレードアップしたゲームとして再発売すれば、ファンは必ずまた遊んでくれる
自身もプレイヤーとしてそう信じられたからこそ、この英断を押し通すことができたんだと思っています。
そして結果は、見事に果たされました。
3.ゲームを愛する人達へのリスペクト&求心力
吉Pさんについて調べていくと、だんだんとその人間性・人間味にも惹かれていきます。
元々ゲーム好きだったということもありますが、吉Pさんはオンラインゲームの歴史についても非常に探究されています。
ビジネスにおいて、ライバルチェックも「常識」ですが、吉Pさんは、競合と言われる他社のゲームを「敵」とは見なしていないように見受けられます。
『FF14』のテコ入れにあたり、先代のオンラインゲームが自分を刺激し、心地良い体験をさせてくれたことをしっかりと思い出し、リスペクトの念を持ってその感情に至った理由・背景を分析されています。
例えば、ブリザード・エンターテインメント社が2004年にリリースしたオンラインゲーム『World of Warcraft』。
吉Pさんは、このゲームがオンラインゲームの「考え方」を変えたと語られています。
それまでのオンラインゲームは、
- プレイ時間を費やすほどキャラクターが強くなるように設計
- プレイヤー自身が手探りでヒントを見つけていくような冒険
- ゲーム全体をじっくり進めないとクリアできない
というのが当たり前だったと言います。
しかし、『World of Warcraft』は、
町中に「!」マークがついたキャラクターがあちこちに立っていて、そのキャラに話しかければ何らかのゲーム展開があったりする。それを追いかけていけばどんどんゲームが進んでいく。
今でこそ、当たり前になっている作り方ですが、当時、吉Pさんは「そこまで親切でいいの?」と衝撃を受けたそうです。
しかし、何故このスタイルで人気が出たのか? ゲームをやっていなかった人達まで参入し始めているのか?そんな現実に向き合い、考えを深めていったそうです。
そして、
「!」マークがついたキャラクターを起点に、どんどんゲームが進んでいくという感覚がとにかく気持ちいいんだ!
と、いう感情に気付きます。
ゲームをプレイする人にも、様々な人がいて良い。
ゲームの世界観をじっくりと味わいたい人は、隅々までしっかりプレイを堪能すればよい。
でも、時間の限られる人やさっさとゲームを進めたいという人はポイントを追うだけでいい。
マニアックなゲームファンばかりを対象と考えて作られていたオンラインゲームを、より多くの人達に遊んでもらうためにはどうしたらいいのか?
その発想に、吉Pさんは注目しました。
苦労して開発したものはちゃんと全部味わってほしい、と作り手・売り手のエゴが出てしまうものです。それが人間ですよね。
でも、
「プレイヤーそれぞれが、それぞれの楽しみ方で遊んでくれればいい。もちろん、最終的にゲームの世界観を余すところなく味わってくれれば、なおうれしい」
というスタンス。これこそ、多様性だと思います。
つまり、『World of Warcraft』は、
「時間」の使い方をユーザーが選べるようにデザインされ、それまで主流だった「時間を費やして遊べ」ではなく、誰もが自分の時間に応じた遊び方ができる、という考え方を初めて世に打ち出したゲームなんだそうです。
吉Pさんはこの自分が感じた感情を踏まえて、『FF14』の再開発を行う上で、その考え方を組み込んだそうです。
ゲームを愛する人の情熱的な考え方を、「競合他社」として敵視するのではなく、心からリスペクトできるところも吉Pさんのすごいところだと感じます。
※参照元インタビュー記事はこちら。
さらに、吉Pさんは、自らもプレイヤーとなって最高級のユーザとして『FF14』を遊び、その体験や感情を発信されています。
例えば、こんなコンテンツをYouTubeで発信されたりしてますね。
自ら楽しんでいる感情を、他のプレイヤーに発信する吉Pさんの姿は、見ている側にその楽しい感情が伝わってきますね。
自らが実際にプレイしている吉Pさんだからこそ、プレイ仲間の非常に強い求心力に繋がっているんだと感じます。
まとめ
今回、僭越ながら、初めて吉Pこと吉田直樹さんを知り、経歴やお考えなどを調べてみました。
知らなかっただけで、僕の人生にも非常に大きな影響を与えてくれていた人なんだとわかると、一気に親近感と尊敬の念が湧きだしますね^^
ゲーム業界の2大巨頭『ドラクエ』と『FF』それぞれのオンライン版で輝かしい功績を残してこられた吉Pさんですが、いろいろな情報に触れる中で、その考え方や行動力には納得するポイントが沢山見つけられました。
文字にしてしまうと当たり前・簡単に思えてしまうかもしれませんが、それを実際に長いこと継続して実践され続け、成果を出し続けているのは本当にすごいことです。
そして、その根底にあるのは少年時代からのゲームに対する愛情・情熱なんだと思います。
僕も、自分の愛情・情熱を注げるテーマで、少しでも多くの皆様に貢献できるようなお仕事をしていけるように頑張っていきたいと思います。
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