どうも、かずです
2022年3月30日放送のNHKスペシャル(NHK)では、『恐竜超世界 in Japan』と題して、日本屈指の恐竜化石ハンターの九州での化石群発見など、日本各地での活躍が描かれます。
僕も幼い頃は、恐竜に興味を持ち、いろんな恐竜を覚えたりしたものです。
この放送で改めて「恐竜化石ハンター」というお仕事を知りました。
そこで今回は、
- 恐竜化石ハンターってどんな仕事内容?
- 恐竜化石ハンターの年収ってどれくらい?
- NHKプロフェッショナルでも取り上げられた化石ハンター小林快次さんってどんな人?
こんな疑問について、調べてみました。
放送を見て興味を持たれた方は、是非最後までご覧ください。
恐竜化石ハンターとは?
そもそも「(恐竜)化石ハンター」という職種があるわけではないようです。
大きな枠で見ると、「古生物学者」「恐竜学者・研究者」「恐竜博物館研究員(学芸員)」といった職種に該当するようです。
イメージとしては、こんな感じでしょうか?
主な業務内容
では、どんなお仕事内容があるのでしょうか?
古生物学者とは、地球上の生命が進化によってどう変化してきたのかを解明するために、化石などの標本を使って研究する人のこと。
動物や植物の痕跡を見つけて保存したり、骨などの化石を収集したりした後、これらの標本を使って生命の進化や地球の歴史に関する仮説を立てます。
主な業務には、次のようなものがあります。
- 化石の場所を特定し、発掘作業を実施
- 見つかった化石に関する情報収集
- コンピュータを用いて、見つかった化石や標本を分析
- 新しく発見したデータと従来の知識(研究結果)との比較検討
- 化石が作られた年代の特定
- 調査・分析結果の学会などでの発表
また、恐竜博物館としては、「福井県立恐竜博物館」が有名ですね。
恐竜博物館の研究員(学芸員)というと、展示スペースの設置や説明員というイメージが強いと思いますが、調査研究も重要な業務なんだそうです。
- どんな恐竜のどの部分の化石なのかを調査・分類し、どこに収蔵するかといった整備全般
- 文献・資料の収集や保管
- 教育普及活動
- 収蔵庫の燻蒸、恐竜グッズの監修、全国に貸し出す恐竜骨格組み立ての立ち会いなど・・・
言われてみれば、確かに色々な業務があるんですね。
しかし、その中でも、発掘作業は最も重要な仕事だと言います。
化石発掘や分析は具体的にどんなことをやっているのか?
ここまでは、何となく想像ができますよね。
もう少し踏み込んで、具体的な化石発掘の現場や発掘した化石の分析はどのようなことをおこなっているのか?を調べてみました。
当然、発掘は一人ではできないので、主に理学部や工学部など地質系の大学生にアルバイトの応募をかけて、一緒に行われるのが一般的なようです。
ショベルカーで掘り出した岩の塊を手作業で細かく割りながら、化石を掘り出していきます。
発掘現場で何らかの生物の骨の化石を見つけた際、例えば、その化石と同じ地層から、タニシが出てきたら、そこは池とか川だったのだろうと仮説を立て、池や川の近くに暮らしていた恐竜の化石かもしれないと判断するそうです。
また、同じ地層に三角貝やアンモナイトの化石も見つかれば、これらは中生代の生き物とわかっているため、この地層は中生代の地層だろうという判断ができます。
発掘後は、その化石をクリーニングし、形を見ていくそうです。
- 歯の化石だったら、ギザギザの度合いで、肉食恐竜かどうか?
- 首の骨だったら、形から首を高く上げられるのか、どこまでひねることができたのか?
といったことが推察できるんだそうです。なるほど!
過去に発掘されたものと比べることで、「この化石は今までのものにないところに出っ張りがある」などの今までのものにない特徴が見つかれば、新種の恐竜の可能性も出てきます。
そんな発見をしたときのドキドキワクワク感は是非味わってみたいですね。
よく、テレビ番組で生きていた恐竜の再現をされているのを見たことがある方も多いと思いますが、骨の化石だけでどうやって皮膚の質感や色などを判断できるんでしょうか?
保存状態がとても良い形で発見された化石だと、色素が残っており、それを現存の生き物の色素と比べることで、「この恐竜のしっぽはシマシマ模様だった」等ととわかることもあるんだということです。
恐竜化石ハンター・小林快次(こばやしよしつぐ)さんの経歴や年収は?
前述のNHKスペシャルや、『プロフェッショナル~仕事の流儀~』でも特集されたことのある、若き化石ハンターの小林快次(こばやしよしつぐ)さん。
恐竜好きの間では有名な方なんですね。
どんな経歴をお持ちなのでしょうか?調べてみました。
1971年 福井県生まれ(2022年3月30日現在は、50歳もしくは51歳?)
2004年、アメリカのサザンメソジスト大学地球科学科で博士号を取得
日本帰国後、福井県立恐竜博物館の設立に携わる
2006年度からは北海道大学総合博物館で助手として勤め始め、2015年度に教授へ昇任
2013年度からは大阪大学総合学術博物館招聘教授にも就任
引用元:Wikipedia
そして、数々の化石発掘チームに関わり、「カムイサウルス」「ヤマトサウルス」といった複数の新属新種の発見の功績も残されています。
このようなお仕事での年収も気になるところですが、小林さんの場合、複数のお仕事や本の出版、メディア露出なども多いため、年収の推定は難しいです。
そこで、古生物学者の一般的な収入について調べてみました。
古生物学者の平均年収は、居住地や勤務先などの条件によって大きく異なるようです。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、
たとえば、大学教授として働く場合、月給は約67万円、賞与は年間約300万円
自然科学系研究者は、月給約45万円、賞与は年間約140万円
とされています。(※2019年時のデータのため、多少古いですが)
このデータだけを単純計算すると、
大学教授なら年収約1,100万円、自然科学系研究者なら年収約680万円
と言うことになりますね。
公立か私立かにもよりますし、小林さんは、メディア出演や、本の出版もされており、印税なども考えれば、さらに高収入であると思われます。
小林快次さんは、著作『化石ハンター 恐竜少年じゃなかった僕はなぜ恐竜学者になったのか?』(PHP研究所)の中で、こんなことを言っています。
「恐竜は特別、好きというわけじゃなかった」
「化石採集に熱中した少年時代。知識やウンチクとしての古生物には興味がなく、ただ太古から現存してきた化石の、時空を超えた存在感に想いを馳せるのが好きだった」
引用元:Kindleによる当該書籍の詳細説明より
「古生物学」という学問的な知識や学者への憧れがあったわけではなく、純粋に目の前の「化石」から感じられるオーラに魅入られ、今の道を歩まれることになったんですね。
今の僕なんかの感覚では、「ビジネス」として食えるのか?といったことを気にしてしまいますが、小林少年の純粋たる化石に対する熱い思いが、今でもその行動や功績に繋がっているんだと、納得します。
化石ハンター(古生物学者)になるには?
化石を採掘して、分析し、新属新種を発見する可能性も有する「化石ハンター」。
どうすれば、なれるのでしょうか?
化石ハンターと言っても広いため、古生物学者への道について、調べてみました。
まず、大学での所定の修士もしくは博士課程の修了が必要になります。
古生物学の修士課程を設置している大学もありますが、地質学の修士課程を修了すれば古生物学者になれる場合もあるようです。また、大学教授や民間企業の管理職を目指す場合、博士号を取得する人も少なくありません。
それに加えて、実践において、次のような幅広い分野の知識が必要になると言われています。
批判的思考力(クリティカルシンキング)
言い換えると、「敢えて目の前の事象を疑ってかかる目を持つ」と言うことです。
様々な時代の地質の化石や痕跡を発掘、調査、分析し、その結果を踏まえて立てた仮説を同じ分野の他の研究者に理由と合わせて主張していくことが必要となります。
調査・研究を通じて判明した事実が何を意味しているのかについて、批判的に考えられる能力は、古生物学者の仕事において重要な要素です。
コミュニケーション力
古生物学者は調査や研究の成果を文章にまとめたり、同じ分野の他の研究者に対して説明したりしなければなりません。
また、学会などの学術集会で研究の成果を発表しなければならないこともあります。
優れた業績を上げるには、口頭・文章ともに伝える力=コミュニケーション能力が必要でしょう。
英語力
古生物学者に限った話ではありませんが、世界を股にかける化石ハンターですから、自分が発見した事象について、広く世界に伝えていく上では、英語の能力が欠かせないでしょう。
当然、色々な情報を得るための文献も英語で書かれたものが圧倒的に多いですよね。
まとめ(所感)
今回、番組を通じて、「化石ハンター」の存在や、小林快次さんを知りました。
元々、何となく地層を掘って、恐竜の化石や骨を発掘しているイメージしかありませんでしたが、調べていくと見えていなかったことを色々と知ることができました。
研究者というと、室内に籠って調べ物をしたり、論文を書いたりというインドアなイメージが強いですが、化石ハンターや古生物学者というと、世界各地の遺跡や広大な土地に繰り出して行う採掘作業は、具体的なイメージを膨らませると、かなり過酷なアウトドア・ハードワークですよね。
また、博物館などの研究員、学芸というお仕事でも、博物館の展示や説明員としてだけでなく、自ら化石の採掘に繰り出し、研究し、それを素人や小さなお子さんでもわかるようにわかりやすく伝えていく、広報・宣伝頭やアンバサダー的な役割も担っているんですね。
小林快次さんの生い立ちや現在のご活躍などを見ていくと、その原動力は、幼少期に培った「太古の歴史へのロマン・情熱」にあるのでしょう。
どんな仕事にも言える事ですが、
- 「自分は何者なのか」
- 「今、何がやりたいのか」
- 「未来でどうありたいのか」
といった、自分自身の本心・軸・魂 を知ることは非常に重要だと改めて認識しました。
なんとなく、気が付いたら今の仕事をしていた
僕自身もまさに、その一人でした。
でも、たった一度の人生。
自分自身としっかり向き合って、自分が本当に望んでいる事を突き詰めていく時間はとっても大切ですね。
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